胸クラブアセスメントの深掘り解説
~体幹回線可動域の評価を通じて見抜く、身体機能とスイングへの示唆~
1. 評価の目的と意義
胸クラブアセスメントは、胸郭(胸椎+肋骨)の回旋可動域と、上半身と下半身の分離性、体幹の安定性を評価するテストです。スイングにおいて胸郭の回旋は、切り返し時の詰まりや上半身リードの遅れ、さらにフェースコントロールの不安定さを診ることができます。胸椎回旋の左右差、胸郭と骨盤の分離コントロール、肩甲帯の過剰代償(肩すくみ・肩甲骨の挙上/外転)、回旋時の軸保持(頭部位置・体幹の傾き)、クラブと胸の同調タイミング(一体化/解離)、そして上半身主導の切り返し安定性といった身体機能の傾向を診ることができます。
2. 評価手順の意図
- 胸の前で手を組み、クラブを床と水平に前腕で軽く固定
- 骨盤は正面のまま固定して、上半身のみを左右に回旋。
- 右・左をテンポよく交互に2~3セット行う。
注視すべき点:
- 頭部側屈の代償がないか?(分離が保たれているか)
- 肩や腕の力で回していないか?(胸郭主導の回旋になっているか)
- 肩甲帯の前傾・内旋がないか?
- 回旋パターンに左右差がないか?
- 体幹が伸展してないか?
3. スコアリングの活用
| 点数 | スイングへの影響 |
|---|---|
| 3点 | 左右ともに代償なく45°の回旋ができる |
| 2点 | 左右ともに代償なく30°の回旋ができる |
| 1点 | 胸椎の屈曲や伸展・側屈・肩甲帯での代償を認める |
| 0点 | 30°以下の回旋 |

